テキストサイズ

ブルースカイ

第8章 恵(上)

いくら友達とは言え、よそ者の俺にはわからない過去があったはずだ。



でも、それを感じさせず、前向きに、明るく生きている。



それに比べて俺は・・・。



クソッ。



過去や、今の現実に押し潰されそうな弱い俺。あまりにも無力だった。



俺はため息を吐くと、タバコに火を点けた。



急に電話が鳴る。



俺が電話を見ると、フミからだった。



「なんや?」



俺は無愛想に言った。



「どないしたん?えらい不機嫌やな。」



「別にええやん。なんなん?」



「起きてるかなと思ってん。目が覚めて寝られんから、ソウもそうなんやないかと思ったん。」



「そうや。俺も寝られへんわ。」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ