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ブルースカイ

第8章 恵(上)

マサとか、柄の悪い連中と付き合うと、ろくな事ないな。



俺はもう一度横になり、しばらく寝る努力をした。



あかん、目が冴えてる。寝過ぎて、寝直されへん。



ため息を吐き、体を起こした。



その瞬間、血の臭い



まずい。



赤黒い浴槽に浮かぶ、白い顔をした美香。



眠っているかのように静かに目を閉じている。



蛇口から垂れる水滴。



紛れもないあの時の光景。



見たくない。



なんでやねん。



やめてくれ。



見たないねん。



俺はにじみ出る汗と、溢れる涙をぬぐおうともせずに、ただひたすら震えていた。



怖い、というより、あの場面を再現され、見たくもないのに見せられてる。目を背ける事もできない。

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