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ブルースカイ

第8章 恵(上)

フミは苦笑した。



「ソウ、タヌキやな。」



俺は笑った。



「こんなアホでも、俺になつく後輩やねん。」



「自分の子分みたいなもんやしな。」



「子分なんかやない。単なる後輩や。」



「でも、兄貴にはいつも迷惑かけて、申し訳ないですわ。」



「わかってるんなら、もっとちゃんとしぃーや。俺とか、フミもいつまでかばえるかわからんで。」



「気付けます。」



結局、マサに説教しながら、朝までコース。俺はこの程度の説教で、マサが変わるとは思っていなかった。



その点、フミの方が俺よりお人好しというか、人を信じていた。今でも俺は、人によっては、信じすぎたら、痛い目を見ると思っている。

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