
温もり
第3章 殺処分
ニニの手を握り、零九は自分の左胸に彼女の手を当てる。
「俺は、まだ生きてる」
彼女の温もりを感じながら零九は真っ直ぐにニニを見る。心臓は力強く鼓動しているだろうか、とそんな事をふと思うが、きっと自分の思いと同じく彼女に『生きている』と叫んでいると思う。
「俺は、まだ生きてるんだよ、ニニ。生きていられる内は、君と共に居たい。そう思っちゃいけない?」
落胆の含まれた言葉にニニは、彼になんて事を言ってしまったのだろかと、後悔する。無表情で無口だから彼の感情は読みにくいところはある。だが、決して鈍いと言う訳でもなく、むしろ自分の言動に対しては傷つきやすい一面を持っていると、ニニは知っていた。それなのに、不安感からあんなことを言ってしまった。
「ごめんね、零九」
ニニは起き上がり、彼に抱きつく。
「私、甘えてばかりだね。ごめんね」
そして、謝罪して軽く口付けをした。
彼もそれに応え、ギュッと彼女を抱きしめた。お互いに不安なのだと再確認するように。
「行こう。みんなが心配する」
「うん」
ニニがベッドから降り、零九はクセのように彼女の手を握る。クスリと彼女は笑い、零九も僅かに口元に笑みを乗せた。
「俺は、まだ生きてる」
彼女の温もりを感じながら零九は真っ直ぐにニニを見る。心臓は力強く鼓動しているだろうか、とそんな事をふと思うが、きっと自分の思いと同じく彼女に『生きている』と叫んでいると思う。
「俺は、まだ生きてるんだよ、ニニ。生きていられる内は、君と共に居たい。そう思っちゃいけない?」
落胆の含まれた言葉にニニは、彼になんて事を言ってしまったのだろかと、後悔する。無表情で無口だから彼の感情は読みにくいところはある。だが、決して鈍いと言う訳でもなく、むしろ自分の言動に対しては傷つきやすい一面を持っていると、ニニは知っていた。それなのに、不安感からあんなことを言ってしまった。
「ごめんね、零九」
ニニは起き上がり、彼に抱きつく。
「私、甘えてばかりだね。ごめんね」
そして、謝罪して軽く口付けをした。
彼もそれに応え、ギュッと彼女を抱きしめた。お互いに不安なのだと再確認するように。
「行こう。みんなが心配する」
「うん」
ニニがベッドから降り、零九はクセのように彼女の手を握る。クスリと彼女は笑い、零九も僅かに口元に笑みを乗せた。
