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第19章 case8 【私ニ伸ビル複数ノ手】 1

「それは」
「会ったってのは、俺だろ」

言葉を被せてくる均さん。

「俺は絢乃に聞いてる」

「誰に聞こうが、絢乃チャンに会ったのは俺。だって、10日ぶりだろ。熱でも出して寝込んでんじゃね?とちょっと心配してみたりしてな」

「均には聞いてない」

「といっても、それ以外にないね。大体お前が、絢乃チャン拘束しすぎなんだよ」

押し通す均さん。つまり、何が何でも隠せ、というコト・・・だよね。

「絢乃は俺の、であって、均のじゃない」

「俺は絢乃チャンと親戚なの。仲良くする理由はあるんだから、邪魔すんな」

「俺にとっては、均の方が邪魔」

・・・会話が、子供の口喧嘩っぽくなってきた、気がする。やいやい言い合ってる。玄関で。

話の矛先が変わったようで、内心ホッ、とする。

私はここで、2人を放っておいて、部屋に戻っていいだろうか・・・。寝たい気がする。眠たい。

「という訳で、絢乃チャンを明日から学校に行かせろよ?」

という訳とはどういう訳?というか・・・学校、未だ行けるワケ?

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