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第19章 case8 【私ニ伸ビル複数ノ手】 1

話を聞きつつ、視線を下に向け、思案していた・・・けど、不意に顔を上げ、廊下の方を見・・・。

「何処に行っていた?」

感情を入れない、低く、抑えた声。上半身は裸で、ズボンだけ穿いた状態の、斎。

「絢乃チャンをたまには外に出せって。日に当てないと光合成出来ねえぞ?」

・・・人間は“光合成”しないと思うけど。と、均さんの言葉に口に出さずに反論しつつ・・・さて斎にはどうやって“言い訳”しようか考えてる。

・・・多分、さっきの人会ったことは、口に出さない方が身の為・・・。

「もう一度聞く。『何処に行っていた?』」

一歩、近づく斎。

嘘だらけの言い訳はマズイ気がした。だから。

「外に、気分転換に」

それは、間違いないから。

「誰かと、会った?」

そして、もう1歩。問われると同時に距離が近づく。

斎は・・・解って言っているのか。それとも鎌をかけられているの、か。

・・・・・・どっち?

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