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第3章 case2 【貴方ガ欲シイ】 1

「・・・こわ」

小さい声で呟く。喋っていないと得体の知れない恐怖が、襲って来そうで、

「平常心平常心大丈夫何でもない・・・」

ぶつぶつ呟いて呟いて呟い、
『絢乃』

「あれは幻聴空耳気のせい・・・」

少しイラッとするも、そのまま呟いて呟い、
『絢乃』

「思い込み大丈夫平常心・・・」

かなりイラッとするも、気にしない様に呟い、
『絢乃』

「聞こえる筈が・・・」

と言ったところで呟くのを止める。イライラして呟いているのが馬鹿馬鹿しくなった。

「・・・ってもう煩いな! 用があるならここまで来なさいよ!」

・・・逆に聞こえなくなる。ほんっとバカにしてるんじゃないの?幻聴にしては、はっきり聞こえてるっての!!

「安眠妨害なのよっ、大体っっ!!」

ってほぼ叫ぶのと変わらない大声で文句を言いつつ、ガバッと布団を剥ぎ取り、勢いよく上半身を起こした。

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