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第3章 case2 【貴方ガ欲シイ】 1

「・・・ベタな展開」

思い出す、ニヤリと笑う斎。

『絢乃が知らない事も、見れる・・・かも知れない、な?』

・・・・・・ベタ過ぎ。

「来いって事でしょ」

だからといって、行く義理は無い。
布団を被る。頭が隠れるほどすっぽりと。

知らない知らない知らないっ。私はアイツのシモベじゃないっ!!

「行かないわよ」

目を瞑る。耳を手で塞ぐ。足を折り曲げ小さくなって。

・・・思い通りなんて、ならな、
『絢乃』

ビクッッッ!!と身体が震える。居ないのに声が・・・。

真夜中、間接照明だけの状態の部屋で、人影が無いのに幻聴だろうと声が聞こえたら・・・単純にビビる。

確かに声は斎に似てたけど、幽霊とも限らない。だってここは、理事長の屋敷。外から見る限り、古い洋館だし。

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