テキストサイズ

contract

第3章 case2 【貴方ガ欲シイ】 1

・・・目が覚めた。

多分、夕方知り得た事実が増えて、頭が混乱しているせいかも知れない。

まさかここが理事長の屋敷だとは全く思っていなくて・・・相変わらず振り回されっぱなし。

そして明日は終業式。明後日から夏休み。ちなみに、この学校は未だ3学期制。

「・・・休み、ね」

自宅に帰らないと連絡は入れた。入れたけど、果たしてこれが正解だろうか。案外、帰ってしまっても、大丈夫だったり、して。

斎に離れてはダメだと思い込まされて、ソレに縛られているだけだったり、して。

斎に対して背中を向けて寝ていたけど、寝返りをうち・・・渋々斎の方を向・・・。

「・・・いない?」

身体を起こし、部屋を見る。確かにいない。

「大体、ヒトじゃないんだから、寝る必要なんて無いじゃ・・・ん???」

部屋の中で視線が止まる。屋敷の廊下に通じる扉が・・・薄く開いている。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ