テキストサイズ

contract

第16章 case7 【貴方ニ引キ摺ラレル】 1

「無断で出てみればいい。次は鎖に繋ぐ」

読まれてる・・・こわッ。冗談で終わらない感じが。

「良いから大人しくここにいて、あの監視を続けていればいい」

「監視、って程、頻繁には見てないけど」

何故か、気味が悪いとは思わないのあの子。何者なんだろうな・・・。

「そうだな、監視されるべきなのは、絢乃だった」

「何で」

「頃合い見て脱走しそう」

・・・さっきの家に帰る話がまだ続いているらしい。帰省なだけで、脱走でも逃亡でもないけどなぁ。

腰に回ってる腕に力がこもり、斎との密着度合いが増えた気がする。

「家に帰る前に、学校辞める方が先だって」

そして、退学の話もいい加減諦めたらいいのに、未だ言ってるし。

気が付けば、右耳の耳元で囁く声。

「ね、学校辞めよう?」

む、無駄に色気を垂れ流さないでほしい。急にドキッとするから。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ