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第16章 case7 【貴方ニ引キ摺ラレル】 1

そんな毎日が続いている学校の無い週末の昼下がり。のんびりとティータイム中。

といっても、飲むのは私だけで斎は何も口にしないけど。

数人掛けのソファの中心に斎が座り、その脚の間に私が座っている。

隣でいいと言ったのだけど、相変わらずの暴君は速攻却下。

こうなったらふんぞり返ってやる!!と開き直って股の間に座ってわざと寄りかかってるけど、どうもそれでいいらしい。左腕が腰に巻き付いたまま離れない。

「夏休み家に帰りたい」

いつしか数日後に夏休み、というこの時期に、ぽつりと聞いてみれば。

「何故?」

という返事。

「・・・あのね」

親に会うのも禁止?

「敷地外に出したら、帰ってこない気がするから嫌」

なんだそう。去年の事を思い出すと余計に嫌、だって言う。

・・・勝手に帰るしかないかな?そんなこと出来るかな?

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