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第16章 case7 【貴方ニ引キ摺ラレル】 1

屋敷の中では比較的狭い部屋だった。部屋の中心にベッドがあり、部屋をベッドが占領しているといっても過言じゃないくらい。

「・・・・・・え?」

とある一点に釘づけになる。

数日前、初めて会った時『人を暫しの間、匿って』と言っていたが、匿うのは大人だと勝手に思っていた・・・けど。

ベッドに寝かされているのは、年長児か小学校低学年か・・・ぐらいの、女の子。

部屋に入り、ベッドに近付く。

古めかしい柄の白を基調とした着物を着て、ストレートの長い髪を無造作にばら撒き、両手をお腹で組んでいる、

微動だにしない・・・生ける日本人形。

「こ、ども?」

「あぁ、と言っても、生きてねえ」

「・・・・・・は?」

「かといって、死んでもねえが」

「・・・・・・はぁ?」

謎かけでも聞いている気分になる。生きて無くて死んで無いってどっちよ?

「・・・説明すんの面倒」

「手伝えって言うなら説明しなさいよ!!」

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