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第16章 case7 【貴方ニ引キ摺ラレル】 1

「ドア開けろ」

屋敷2階のとあるドアの前。お嬢様の部屋や、私の部屋からは大体真反対の場所で、

部屋に招かれてる。勿論強引に。

「とって食う気は、今のところねえよ」

警戒心丸出しの私に、そう言うけど、そこで安心はできない。

斎はずっと得体が知れないけど、基本私に対して危険なことはしないと思う。・・・そう思いたい。

けど、この人は解らない。会って数日だし、斎と私の関係をあまりよくは思っていない様子・・・多分。

「言う事、聞いた方が無難だが?」

それにしても、この屋敷にいる斎も的場君もこの均さんも、強引なのは何でなの・・・。

振り回さされても仕方ないと思えるのは、斎ぐらいで良いっていうのに。

「ドア開けろ」

同じ言葉が繰り返された。相変わらず腕を掴まれてるから、逃げ場はない。

「・・・解ったわよっ」

相手が年上なのをすっかり忘れるくらいムカつきつつ、仕方なくドアを開けた。

何かあったら、斎が助けてくれるでしょッ、という開き直りと共に。

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