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第16章 case7 【貴方ニ引キ摺ラレル】 1

「色々驚かされてんだ。絢乃チャンの存在は、斎にとって大きすぎる。

ただ、自覚した方が良い。それだけ執着されてるって事は、斎の弱点でもあるって事をな」

煙草を銜え、ジッポで火をつける。

壁に寄り掛かり、気怠そうな態度で、美味しそうに煙草を吸い、マイベースに批評する男。

私が弱点。それは誰に対して?何か知っている?

私はこの男を知らない。ならば、聞くしかない。斎に聞いても答えてくれないと、数日前に解ってるから。

とはいえ、素直に教えてくれるタイプではなさそうだけど・・・。

「貴方、誰?」

「そうだなぁ・・・」

嫌がらせの様に、ふぅーっと煙草の煙を吹き付ける。この男、何なの!?

「平均の“均”で、タモツ」

本名なのか、偽名なのか・・・?

「均さん、貴方何者?」

「斎の知り合い」

「契約は?」

「立場は一応対等。表向きは、な」

契約すると、主は斎になる。的場君や永依さんはそういう立場。という事は、均さんは契約はしていない・・・私と、同じ?

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