
NO VOICE LOVE
第1章 はじまりは、すぐそこに
「あぁ、未夢ちゃんのことか。
あの子は今日たまたま会った子かな」
「じゃあただの顔見知りってこと?」
黙々と手入れをしていたはずの咲良が
ずいっと旭の目の前に
体を乗り出させて聞く。
「うん、そうだけど」
サラッと答える旭に、
3人のため息が零れる。
「…え、なんか俺悪いことしたっけ…?」
「ほらな、やっぱり。
旭はこういう奴だ」
と、和也。
「なんかびっくりして損したかも」
と、孝太。
「もういい。
さ、切り替え切り替え!」
と、咲良。
