
君がくれたぬくもり
第23章 聖夜の裏切り
―――9時
「お待たせ!」
店の裏口から笑いながら出てくる西田さん。
あれから西田さんと店に戻り、店長にこっぴどく怒られた。
もちろんバイトはクビ。
まぁ…当然だよね。
「行こっか。」
西田さんに手を引かれ、駐車場に行く。
このあと約束どおり西田さんと出かけることになったのだ。
「寒いなー。
陽菜ちゃん大丈夫?」
「大丈夫です。
すみません…。」
西田さんはすぐに車の暖房をつけてくれた。
「9時か…イヴだからなー…、どこも満員だろうね?」
繁華街を車で走りながら西田さんは笑う。
陽菜は完全に落ち込んでいて、いつもの西田さんの冗談が笑えなかった。
