君がくれたぬくもり
第23章 聖夜の裏切り
西田さんは車を止めた。
そして陽菜を抱きしめた。
「西田さん…!!?」
「さっきの彼だよね?
遠距離とか言ってたやつ…」
「……っ…」
「辛いことがあったんだろ?
俺に話してみな?」
西田さんの声は優しい…
手もあったかくて…
力強くて……
「……“信じて待ってて”って言われたんです。」
「うん…」
「さっきいた女の人…岳の元カノで……岳とヨリを戻そうとしてきました。
岳は元カノを説得するから信じて待ってろって言ったんです。
陽菜、ずっと待ってたんです……でも……でも……」
それ以上何も言えなかった。
涙が止まらなくて……
泣かないって決めたのに…。
「そっか……辛かったね…」
西田さんは背中をポンポンと撫でた。
陽菜はしばらくその胸の中で子供のように泣きじゃくった。
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