
眠れぬ王子と猫な僕
第13章 哀しみの連鎖
「いやぁ〜♪楽しかったね♪」
「悪かったな。愁に付き合わせて…」
「大丈夫です。僕も、たのしかったから…♪」
「またな。」
二人は方向が反対なので、カフェの前で別れた。
「ん〜……なんか疲れちゃった…」
車は途中で帰らせたので、薄暗い道を歩いて帰っている。
「車呼んだ方がいいか?」
「うぅん……大丈夫。そんなに、遠くないし……」
「そうか。きつかったらすぐに言うんだぞ」
「うん……」
「………。妖巳、俺はね、妖巳が他の奴といるのが嫌なんだ」
「え……ぃと、さん?」
強引に腕をひかれ、真剣な瞳をした瑛兎さんの顔が近づく。
「赤司や秋津達に触られてるのを見ると
イラつく」
「僕、は、瑛兎さんが…すき……だよ…?」
おそるおそる、囁く。
「ああ。でも、妖巳を見ているとつい束縛したくなる」
「あ、…………」
―P-RRR---
「………誰ですか?」
「あ〜…。………なんでもない」
誤魔化すような言い方をして
ごめんと合図して電話にでた。
僕には言えない人なんだろうか?
どうしようもない不安が押し寄せてくる…
今でも思う時がある。
少しの間目を閉じれば、瑛兎さんはいなくなって
またあの生活に戻ってしまう
そんな気がする…………
愛しいその背中に手を伸ばす。
瑛兎さん、そこにいるんだよね…?
「……んんッ!?」
