
眠れぬ王子と猫な僕
第13章 哀しみの連鎖
突然、後ろから口を塞がれて何かの匂いを嗅がされた。
あ………
身体が……
麻痺して、動かないよ………
だめ…………もぅ……
僕の意識はそこで失われた……。
「ん、……あ゛ぁ゛あぁ!」
鋭い痛みを感じて意識が戻った。
熱湯が足にかかり、声にならない声が漏れる。
「久しぶりだなぁ?随分探したぜ」
僕は自分の瞳を疑った。
僕の目の前に腰掛けていたのは……
間違いなく、大野さんだった…
「あっ……いゃ、いゃだ!」
頭で理解した途端に震えがとまらない。
逃れたいともがいたことで、自分が完全に鎖で拘束されているされていると気づいた。
手足は縄で縛られて、ピリピリと痛みを感じる。
「逃がさねぇよ。やっと手に入れたんだ」
「お、かあ……さんは…?」
「あんなんとっくに捨てた。俺が欲しかったのは最初からお前だけだ」
大野さんの手が服の中に入ってくる。
「あの男、お前を横取りした奴だろ。名前、教えろよ」
「ゃあ……」
