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恋は賭けから

第1章 波乱の予感


すると相手もキュッと
自転車を止めた。


『………………!!』


「……ん?
あれ、きみ…………」


振り向いた彼は
思った以上に背が高くて
自転車に釣り合わない感じ。


しかも顔も
タレ目で気が抜けたような顔で…。


ジッと見ていると
彼はくしゃりと笑った。


「君…同級生?

しかも遅刻覚悟で歩くなんて…

俺と気が合うかもね」


『へ!?ち、違います!

こ、これはその…
私の帰巣本能が…(違います)』


「…………はは!
君、おもしろいね。
いいよ、俺の後ろ乗してってあげる」


……………はい?


何を言い出すかと思えば…
まさかの2人乗り!?


恋愛経験の少ない歩美にとって
話す事は愚か、出会ったばっかりの男の子と密着するなんて
考えもつかないことであった。


だけど…

歩美は腕時計に目をやる。


「さぁ行くよ。
ほら、後ろに乗って」


『………………っ』

歩美は意を決して
彼が叩く後ろに近づいた。



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