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これが私の仕事

第4章 第三夜

~記憶~

ここは…診察室。また、流歌が熱をだしたのかな??

今日は、蘭がインフルエンザになってしまった為病院に来た。俺と違い、元々体の弱い蘭はすぐに熱を出す。
蘭「蓮…ごめんね…僕、すぐに体調崩すから…いつも蓮に迷惑かけちゃう…」
蘭は優しい。いつも俺に気を使う。どんなに体調が悪くとも。
蓮「大丈夫だよ。蘭がニコニコしてないと、俺も辛いし。それに、母さんや父さんに面倒見させたくない。だから気にするな。」
母さんと父さんは今、どこに居るのだろうか。02人が居なくなり早02年。俺と蘭との二人暮らしは慣れたものの、蘭が体調を崩すとすごく心配になる。
はぁ…はぁ…と苦しそうに息をしている蘭を見て、心が痛くなる。辛いんだろうな…未だにインフルエンザにかかったことがないため、インフルエンザの辛さはわからない。
大学生になり、俺が自分の運転で蘭を病院に連れて行けることに、少なからず自信を持っていた。だから、ずっと、蘭の側には、俺が…でも、そんな幻想は有り得ない。
蓮「蘭…兄さん…大好き…だよ…」蘭には聞こえないように呟く。
俺は、蘭が好きだ。ずっと側で見てきた。
蘭が好きなんだ。
でも、俺達は兄弟。きっと…いや…絶対にこの気持ちは届かない。
眠っている蘭の顔を見ながらそんなことを考える。

早く…家を出たい…


ザァ………
   景色が  もど る   。

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