
捨て犬と俺と…
第9章 壊れた想い
気づくともう家に着いていた。ドアを開けるといつもの翔のおかえりーと言う温かい声が聞こえた。
その声と翔の顔を見るとなんだか急に安心して力が抜けた。
そんな俺を見て翔がこっちに駆けよって何も言わないで俺を抱き締めた。その温かくて小さな体に今日は頼ってしまいたかった。
それからどれくらいこうしてただろうか。やっと俺も落ち着いてきた。
翔「陸……冷たい。お風呂、沸いてるよ?
僕、もう入ったから先寝るね。おやすみ…」
優しく微笑みながら翔は俺から離れて布団へはいった。
俺は翔に言われたように風呂に浸かった。よっぽど冷えてたのかお湯がいつもより熱く感じた。
