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捨て犬と俺と…

第9章 壊れた想い


あまり心地よい目覚めではなかった。昨日は風呂にはいってからすぐ寝てしまい今はなんだか視界がぼやぼやする。

……………空斗にどんな顔して会えばいいんだ。最後に見たあいつの表情がよぎって急に体がこわばった。


翔「おはよ…?」

「あ、おはよ!」


やっぱり翔がいると安心できる。いつもと変わらずにニコッとしながらなにもなかったかのように朝食を食べた。翔は昨日のことをなにも聞いてこなかった。俺を気遣ってそっとしておいてくれたんだと思うと嬉しかった。


いつものように翔に見送られていつものように道を歩くけど今日は足が重かった。


教室に入るといきなり空斗と目があう。


空斗は俺を見たら走って教室を飛び出して俺はなにもできなかった。声をかけることも追いかける事も。


今回のことで一番傷ついてるのはあいつかもしれない。



確かに友達にあんなことされた俺だって平気なわけじゃない。でも俺には安心できる居場所があった。でも空斗は全部1人で抱え込んでる。ずっと悩んでたんだ。でも空斗のことだから誰にも話せないで堪えて、我慢して、必死に押さえ込んでた。なのに俺はその傷をえぐるような事をいつの間にかに…

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