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不覚にも一瞬思考停止した私は、可愛らしい小さな唇から告げられる死刑宣告(婚約破棄)に、笑みを浮かべたまま動揺していた。



落ち着け、落ち着くんだ私。



「…、何故、そのような事を？何も考えなしにアイシャがそのような事を言うなどとは思え無いのだが」



そうだ。
アイシャが考え無しにそんな事を言うはずがない。


憂いを帯びた水色の瞳が、ゆらゆらと揺れてピンク色のまつ毛が細められた直後。



「そう…ですね。以前から常々思っていたのです。殿下には私よりも、もっと素敵なお相手がいらっしゃるのではないかと」



それは一体誰だ！！？
素敵なお相手···？



私にはアイシャしかいないと言うのに···。