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当日がやってきた。

動物園は、僕と会う女性の住んでいるところから丁度中間辺りにあるが、それでもお互い車で１時間以上かかる。

今日は、初めて会うので、午前１０時に動物園で待ち合わせ、お昼は適当にファミレスで食事して解散という流れで行こうと勝手に思っていた。

しかし、今日のスケジュールで決まっているのは、１０時に動物園に集合ということだけだった。

僕は、１０時５分に動物園に着いた。初めて来た場所なので、思ったより時間がかかり、約束の時間に５分遅れた。

車がほとんど停まっていないガランとした駐車場の向こうに受付があり、その手前にスラッと背の高い、紺色のスーツを着た女性が立っていた。仕事用のバックのような物を持っているので、何かの営業のため仕事で来ている人のように見えるが、たぶんあの人が今回会うことになっている女性だ。

僕は、車を駐車場の隅っこに停めると(性格上、入り口にできるだけ近いところに停めようとする人の気持ちがわからない。僕は、できれば目立たないところに停めたい)車を降りた。

僕が車を降りてその女性を見ると、その女性も僕の方を見ていた。

その女性は近づいてくる僕の方をずっと見ていたので、少し遅れたことに対する申し訳なさから、小走りに近づき、その女性の前まで来た。