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HEAVEN~時を超えて~

第8章 記憶の彼方の契り

『ねぇ・・・カイキ?』


『うん?』



『カイキには・・・・❝答え❞がでたの?』



ある昼下がりの、なんてことのない日に

真は窓から外を眺めながら不意に僕に言った



『答え?』



『カイキの・・・・❝目的❞に・・対して』



なんの話だったかな、それ




やわらかで自然な微笑みで
なんという事のない、いつものワンピース姿で
僕に目線を送る真の心を追いかけてみるけど





『❝ひとつになる❞・・・って、こういう事?』



真は美しく…ニコリと笑って僕に問う



僕も真も、、、裸になって体を重ねてるでもない


仕事を片す僕のそばで
サラサラと流れる小川みたいに真は
流れる空気みたいに、そこにいる・・・それだけだ


そんな空間で彼女は僕に言ったんだ。



『・・・』



僕は答えられなくて・・・


甘い蜜に酔いしれる蜂にでもなったみたいに
その美しい人に魅入っていた。




『ふふっ・・・。なんてね
わかったからもういいよ』


さら・・・


真はまた微笑んで髪を揺らして向きを変えると
空になったティーカップを下げて部屋を出ようとする




『マコト・・・まって』



『?』



『ええと…』



『べつに、、言わなくていいよ
誰かさんは・・・寡黙で…信念が強くて
そこにいたら・・・見たらわかるから』



『マコト・・・』



『だから・・・何もきかなくてもいいんだ、あたし
もう答えてくれなくていいよ、カイキ』


ニコッと…無邪気に笑って真はドアを閉める


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