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HEAVEN~時を超えて~

第8章 記憶の彼方の契り

『マコト…君はなぜ異様なまでに暗闇を恐がるんだ?自分で考えた事があるかい?』


『ぁ…ぁ…ぁ…ぐっ…ぇ…ぐ』


ガチガチと震える真の体に
そっと手を添えて問う



『君の父親が、言い付けに背く君を
こうして…閉じ込めて
何度も何度も・・・拷問したからだ』




『ぁ…たしのお父さんは…そんな人じゃ…

ずっと前に死んじゃったけど覚えるもん…そんな人じゃ』




『ふっ…現代(その)父親じゃないよ…

もっと傲慢で…野心に満ちた…冷徹な父君さ

子など道具…女子(おなご)など…
主(あるじ)の手となり足となり…

奴隷のように扱われても
当然と思っているような父親の方だよ』



『・・・』



『そんな父親に似ず君は…身も…心も美しく
立場も…世間の目も…時代も隔てる事なく

貧しい者には自分の物を惜しみなく分け与え
理不尽な制裁には身を挺して庇い立てをし

美しい自然を愛し…命を…自由を愛し…弱き者を慈しみ
他者の哀しみに寄り添い…手を差し伸べる

いつも人として正しくあろうと…
曲がったことが大嫌いで

邪念とは無縁の…心から美しい人だった』




『???・・・』



『ははは・・・じゃじゃ馬と叱責されても
何度も何度も…懲りずに…恐れずに
お家を飛び出しては連れ戻され

こっちは現代(いま)と違って文字通りに
何度〃首を跳ね飛ばされそうに〃なったことか』



『・・・』

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