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HEAVEN~時を超えて~

第8章 記憶の彼方の契り

『いたい…やめてっ』

錯乱する真を寝室から引きずり出して
無理矢理に階段を降りる

僕の中で…何かが切れてしまったみたいだ。



『来て…』


『?!』



真の顔色が変わる


それは…ちゃんと〃記憶のあること〃に対する
嫌悪感と恐怖心



『・・・入って』


僕は暗い地下室の前まで真を無理矢理連れて行って
ドアを開ける



『いや…』



地下室の照明を全開にして

固いベットの上に真を無理矢理座らせる



『やめて…!…嫌だっ…』


『・・・』



『どうしてカイキが怒るのっ?!…』



『怒ってなんかないでしょ?』



『なんで…っ・・ここに…・・いやっ…』




『だってマコト…わからないんでしょ?』



僕はこの上なく…冷徹な口調で言い放って
必死に抵抗する真の手足をベットに拘束した




『やめてっ…外して…意味わからないよ
思った事言っただけじゃん…聞いただけじゃん
こんなことされる覚えない…っ』




『うん…覚えてないもんね君は』



『・・・?!』


『なんにも覚えていない…思い出しもしない君は

いつも…いつまでも…なんにも知らない君だ』



『っ…?!』



『何も知らないのは・・・君だけだ』



『・・・っ』



『知らなくて良いことは…知らなければ良い
そう言ってるのにさ』



『カイキ…』



『それなら…思い出すまでこうしててあげるよ』



僕は恐怖に震える真に構わず
部屋の照明をすべて落とした



『うっ…ぃゃ…いや…っ・・・』



『・・・』


だったら…どうしたら良いんだよ・・・

こんなに近くにいるのに



どれだけ❝ひとつ❞になっても

君は・・・君でいてくれないのか

君は…君ではないのか?




バカだな君は

わからないなら・・・知らずに

わからないままでいれば良いじゃないか


何も余計な私念も・・・残酷な記憶も

強すぎる執念も…持たない方が

ずっと幸せだろうに


この僕と違って

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