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愛されてると勘違いだったので、推し活をやめようと思います

第7章 【選択1】

私はコンビニのATMで手の甲をかざした。するとモニターに銀行の残高額が表示された。



「えっ!?」



なんと、残金は0だった。



「そんなっ……どうして!?」



(あり得ない。口座には、両親が私のためにと貯めてくれたお金があったのに……! さっきまでは普通に使えてたのに……)



その時、フッと背後に人の気配がした。



「探しましたよ、お嬢様」



サングラスをかけて黒スーツを着たガタイのいい男二人が私を囲んでいた。



「なっ……」

「帰りますよ、ご自宅に」

「!」



彼らは私の肩を掴み、強引に連れて行こうとする。外で待機していた少年の姿が見えて、私は助けを呼ぼうとした。



「ご安心ください。私たちはSEED研究所の小鳥遊(たかなし)様に依頼されたのです、お嬢様を連れて帰って来るようにと」

「……っ!」



(やっぱり、叔父さんが……! 口座のお金を抜いたのも……)



「いやっ! 離して!」



私は男たちから逃げようとした。



「離して! 私は帰りたくないっ!」

「おいっ! なにやってんだよ、お前ら!」



その時、前からオレンジ頭の少年が走ってきた。そして私を助けようとしたけど、一人の男に簡単に投げ飛ばされてしまった。





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