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愛されてると勘違いだったので、推し活をやめようと思います

第4章 隣同士

次の日の朝、ゴミを出しに行こうと玄関のドアを開けると、ちょうど左隣の部屋のドアが開いた。



「……あっ!」



私は思わず、そこにいる人物を見て声を出してしまった。
右隣は花梨の部屋。
左隣は空き室のはずだったのに、なぜか人がいる。しかもその人物は、昨日バスで私を助けてくれた男性で……。



「……どうして、あなたがここに!?」

「今日からここに住むことになった、小次郎(こじろう)だ。よろしく頼む」

「え……」



(ここに住む!? そんなこと叔父さん、一言も……)



「ふあああっ〜〜。どうしたの、祐子ちゃん。朝から何騒いでるのぉ?」



その時、右隣の部屋のドアからパジャマ姿の花梨があくびをしながら出てきた。



「花梨……」

「その人だあれぇ〜? ……ん? んん〜〜? ああっ! 昨日のイケメンじゃん!! え、なんで? なんでここにいるのぉ〜!?」



花梨は嬉しそうにこっちに駆け寄ってきた。



「ちょっと、花梨。そんな姿で……」

「初めまして! あたし、花梨です。あなたのお名前は?」

「……小次郎だ」

「小次郎さんね。あたしも昨日からこのマンションに住むことになったの、仲良くしてね♡」

「ああ、よろしく頼む」




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