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愛されてると勘違いだったので、推し活をやめようと思います

第4章 隣同士

私はしぶしぶ、叔父さんに連絡を取った。
叔父さんは私の性格を知っているから、私が花梨にマンションのことを話したのを驚いていた。



「いつも祐子と仲良くしてくれてありがとう。何かあれば遠慮なく頼ってくれていいからね」



叔父さんはにこやかにそう言うと、花梨に部屋の鍵を渡した。



「こんなに優しくて素敵な叔父様がいるなんて、祐子ちゃんが羨ましいなぁ……。あたしは両親も親戚も早くに死んじゃったから、ずっと一人で寂しくて……」

「それは大変だったね。これからは叔父さんのこと、家族だと思って甘えていいからね」

「嬉しい! 叔父様、大好きっ!」



花梨は瞳を潤ませると、叔父さんの胸に飛び込んだ。



(花梨のそんな話初めて聞いた。いつも明るく振るまってるし、我が儘なところがけっこうあるから、絶対親に甘やかされて育ってると思ったのに……)



「じゃあ、祐子ちゃん。これからお隣同士、よろしくね!」



花梨は上機嫌で私の隣の部屋の中に入った。



(……しょうがないよね。あんな事言われたらだめなんて言えないし……)



叔父さんは知ってるが、私はあまり人と関わるのが得意じゃない。
特に花梨のようなグイグイくるタイプは苦手だ。でも大学に入ってから花梨に声をかけられずっと一緒に過ごすうちに、徐々に心を許すようになった。



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