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微熱に疼く慕情

第12章 【盲目的な愛が辿る一途】






「お願いっ……ゆるっ…して…っ」



何度もそう言うのに……許してもらえなかった
罪の重さ、深さを思い知れと
複数人の心を弄んだ代償はとてつもなく大きいものだった
ズタズタに切り裂かれてボロボロになっても
まだ覆い被さってくる
本気で壊しにかかる



もう所々覚えていない
結局、誰一人、別れてはもらえなかったと思う
これからどうなるのか
気が付いたら寝室のベッドの上に居る
気を失っていたようだ
服もちゃんと着ている
まだ残っている、手枷の跡



もう家には誰も残っていなかった
リビングも綺麗に片付けられている
それぞれからメッセージも届いていた
別れないから…と



水を飲んだ後、インターホンが鳴り、肩が上がる



ドアを開けると入って来たのは明島さん
1人だけ…?
大丈夫かと聞かれ、いつもの優しい声に
涙が溢れてしまう
さっきまでは怖かった
知らない人みたいだった
優しく抱き締められ髪を撫でる仕草も
ふわっ…と香る大好きだった匂いも
全部が愛おしかった事を一瞬で蘇らせてしまう



「さっきは悪かった……もう嫌いになったか?」



ダメだ、断ち切らなきゃ…と顔を上げる



「嫌いです、だからもう、別れて?」


「その顔、全然説得力ないぞ」


「もう……終わりにしたいです」


「俺より他の男を選ぶのか?」


「違う……そんな事、しない」


「まだ疼いてんだろ?鎮めてやるから」


「んん…っ」



抵抗は上手く出来なかった
その通り、媚薬はまだきれていないようだ
触れたところが熱くなる
牡の匂いにまたやられてしまう



こんな自分は愚かだ
救いようのないオンナなんだ



その場で対面立位で挿れられて絶頂する
明島さんのピストンにしがみついて天を仰ぐ



「苦しかったな……辛かったろ?もう大丈夫だから、俺が楽にしてやるから」




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