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微熱に疼く慕情

第12章 【盲目的な愛が辿る一途】








時々ふと脳裏によぎる事がある



もうバックレたいなって



全部、白紙に戻せないかなって………



どの口が、どの面下げて言ってんだよって話なんだけど
自分の蒔いた種に苦しんで自業自得な現状に
急に思い立つ………泡になって消えてしまい、と



連絡が入れば死ぬほど嬉しくてすぐにでも駆け付けていた明島さんでさえ、時間を作るのが億劫になっていた
だからといって黒崎さんと会うわけでもなく、やんわりと断ってしまう



自分からセフレに持ち込んで今でもズルズルと関係を断ち切れないでいる大智も、
その関係を知りながらも受け入れてくれた隼人さんも、
プロポーズも受け入れられないし
これからどんな関係を築いていけば良いのかもわからなくなってきた



そう、このままで良いわけがない



2ヶ月に一度は会っていた美容師の樹くん、
ドMな性格が私にはドンピシャで癒しを求めていたけど
もうそろそろ美容室を変えようと思ってる
そしたらどんな反応するかな
でもそう考えてもどうやらもう、ゾクゾクしないみたい



同じようにドMな旺志郎くんも新鮮で可愛かった
傍に居たらずっと私が襲っちゃうような子だ
凄く気が利いて一緒に居て学べる事もたくさんあった
常に自分より私の心配してたよね
まぁ、入院してた頃の私を間近で見てたから余計かな
本当に私には勿体ないくらいの男の子だから
私から身を引かないと彼は私から離れられないんじゃないかな、と思うんだ



最近で言ったら営業の谷川さん
私の悪いクセが思いきり出ちゃって
ダメだとわかりながら社内の人に手を出してしまった
そうなるように仕向けたのは、面白いくらいに思った通り行動に出てくれる人だったから
手に入れるには時間掛からなかったな……



全部、私と関係を持った人たち
一筋縄ではいかないのはわかってる
全て、私の我儘と驕りなのだから





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