テキストサイズ

微熱に疼く慕情

第11章 【普遍的な真理】






わざと先輩の近くに行き、仕事の話をする
周りも何も思わないだろう
でも絶妙なタイミングで彼にだけ見えるポジションで
先輩にだけ見せる顔を見せてあげたら
どんなリアクションするんだろうね



恋人は居ないって伝えてる
だから先輩の事はセフレの1人だと勘違いしてくれるだろう
偶然を装って、でも実はそれも全て計算されていたとしたら…?
チャンスは与える事になっているみたいだけど
私は黙って大人しく待てる女でもないので
あなたの他にも相手をしなきゃいけない人が居るってわからせたくなるの



誰も居ない非常階段で先輩からキスをさせる
人目を気にするフリして私からも絡ませたら……
見てる?見てるよね
一番怪しんでた山岸課長とやっぱりデキてたんじゃないかって怒ってる?
疑ってるからこっそり後をつけて来たんでしょ?
あなたは面白いくらい単純で引っ掛かりやすい人



諦める…?それとも続ける…?



もう少し、愉しませてくれると嬉しいかな



「え、良いの?怒られるかと思った」ってソワソワし出す先輩にももうおしまい…と離れる
ギリギリなところを攻めるスリルはなるべくクセにならないようにしないと
きっと次こそ足元を掬われる事に為りかねないから




案の定、すぐに動き出すあなたは退勤後の私を捕まえにやって来る
花形部署のエースがよく定時に上がれましたね
やっぱりシゴデキ男は違うといった感じでしょうか



「話がしたい」



ストレートなのは良いんだけど、会社ではやめて欲しいな
先輩も見てるかもだし、誰かのツテで耳に入るかも知れない
顔色ひとつ変えずに「ついて来るのは良いけど適度な距離感で」と忠告しておく



何度か1人で飲んだ事もあるカウンターだけの小さなBARに連れて行った
髪も解いて眼鏡も外した私
此処は静かで2人だけの空間を与えてくれるとっておきの場所なの





エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白いエモアイコン:共感したエモアイコン:なごんだエモアイコン:怖かった

ストーリーメニュー

TOPTOPへ