
微熱に疼く慕情
第11章 【普遍的な真理】
谷川 晃(タニガワ アキラ)さん、1つ上の28歳
花形部署、営業課のエース
いわゆるモテ男
社内で彼を狙ってる子をたくさん知っている
確かに好青年だけど私は始めから眼中になかったよ
女同士でモメるのは御免だし、
イケメン過ぎても私は唆られない
結局飽きて面倒くさくなっちゃうかな
だから最初から遊びだよって匂わせておく
それで相手が本気になっちゃったならそれはそれでキープ組
ね?最低でしょ?私って
だからやめた方が自分の為ですよって教えてあげてるのに
何で皆、そこで引き下がらないかなぁ……
首に手を回してキスを受け止める
舌を絡ませたらその何倍も返ってくる
慌てないで、逃げないから
クスッと笑うと熱い視線向けられて
上顎攻めてくるじゃん
キスの相性はまずまずといった感じ
「……ストップ、此処、会社だよ?」
スカートの中のストッキングに触れてきたから止めてあげた
理性働かせる事は得意な方でしょ?
営業マンなんだから
「うん…」って肩に頭預けてきて必死に抑えてくれてるの堪らない
髪を撫でて良い子良い子してあげる
会社では常に皆の前に立ち、引っ張っていく立場のシゴデキ男が裏ではこんな私に組み敷かれているんだもん
そのギャップでちょっとの間、愉しめそう
「続き、いつ出来る?」
あら、意外と肉食、せっかちさん
ちゃんと腹括れたんだ?
やっぱりエースだから頭の回転早いね
物わかりの良い子は重宝するの
「私がその気になったらね」
テーブルから降りたら腕を掴んできて
「それはいつなの?」って畳み掛けてくる
「え…?」
「連絡先……」
「あぁ、はい、そうだね」
キスしてから連絡先交換するとかウケるよね
順序はいつも守れない
