
微熱に疼く慕情
第10章 【囚われない愛と持続的な関係】
「ジッとしてて」
そう言ってお水を口に含んだ
これは致し方ない事
わざとじゃ、ないんだからね…?
酔ってお水飲めないキミが悪いんだから……
そのまま口移しでゴックンさせる
酔ってても嬉しそうにするのやめてよ
酔ってるフリしてるんなら最後までやり通さないと
「まだ飲みたい、足りない」
「ん……」
2回目の口移しで舌を絡ませてきた
「コラ」って離れたら「もう1回」って甘えたモード
押し倒される前に牽制
「酔ってシたくないの、初めては……ちゃんと覚えていたいから」
「え……あ、ごめんなさい」
「うん、ちゃんとお水飲んでベッドで寝て?私は帰るね」
「え、帰るの?」
手を握ってきても帰るのは帰るよ?
もう大丈夫そうだし…
って、膝の上に乗せられちゃった
「ありがとう、大好き」ってキスされる
弱いんだよなぁ……旺志郎くんのギャップ
「ちゃんとお酒入ってない時に言いますけど、今言ってる事も本音です……僕は一華さんに惹かれてる、好きです」
膝の上だから私が見下ろすアングルになってる
これはこれでスイッチ入りそうになるからヤバいんだよ
「今のはカウント入ってないからね?」
そう言いながらも再びキスしちゃう私も私でズルい
支えてくれてる手が足に触れてきてスカートの中に入って来ちゃう直前で「ダメ…」って寸止めしちゃうの
「これ以上はおあずけね?」
「は……はい」
硬いのに触れるところだった
危ない……このまま許すのは良くないよ
どの口が言うんだかって感じだけど
本当に、旺志郎くんに関してはあまりこっちに
引きずり込みたくないと言うか……
関わらない方が彼の為になるのに
不確かな愛をばら撒いて惹き寄せてしまう
行かなきゃ……
キミとは、これでおしまい
