
微熱に疼く慕情
第9章 【歪んだ世界でも凛として…】
びっくりしてたと思う
残念ながら見届ける事は出来なかった
そこで完堕ちしたから
黒崎さんの射精もちゃんと出来てたかわからない
でも、次に起きた時
もう朝になっていて2人の姿はなかった
けど満たされていた
心も身体も軽かった
2人に愛されて幸せなひとときだったな
ベッドから降りると力が上手く入らなくて
ペタン…と座り込んでしまう
声に出して笑った
たくさん壊してもらえたんだなって嬉しくなる
四つん這いで進み、トイレを済ませた
やっとの思いで立ち上がり、シャワーを浴びて
着替えようとした瞬間、ドアを開ける音がした
ベッドに居ない私に部屋中を探す気配がする
バン!と扉を開けて入って来た
洗面台の前に立つ私を見つけて抱き締めてきた人
「良かった、やっぱり心配で見に来た」
普通にびっくりしたけど、来るかな?とも思っていた
「あの、私、昨日……」
「大丈夫、出してないよ」
「え?」
「意識ないのに出すわけないだろ」
「ごめんなさい…」
「何で謝るの?無理させて悪いのは俺の方だよ」
苦しいくらいギュッときつく抱き締められる
良かった……のか?
起きた時に出された気配はなかったから
どちらかと言えばやっぱりな…だった
明島さん、本当は凄く優しいからそんな事しないってわかってた
意識を失うのは想定外だったんだけど……
「腹減ってないか?」
「はい、大丈夫です」
「身体は?痛むか?」
「最初、ちゃんと立てなかったです、ふふふ」
「起きた時、1人にしてすまなかった」
仕事が忙しいのはちゃんと理解している
首を横に振って胸に頭を預けた
こうして戻って来てくれた事が嬉しくて堪らないの
出して欲しかったのは本音……
でもそれを言うと困らせちゃうだろうから言わない
あなたに抱かれなくなる事が一番怖いから……
