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微熱に疼く慕情

第7章 【錯綜していく哀情】











私ね、どちらかと言えば平穏に暮らしたいの
でもこればっかりは刺激を求め過ぎた罰なのかな……
先輩とはあんな事もあったけど、何とか丸く収まり
2人の関係は良好だと言えると思う
信頼は回復出来たかな
だからって安心はしてられない
慎重にしないとダメな期間ってあるじゃない
反省しつつ邁進するっていうかさ、
雨降って地固まる…的な期間



それを平気な顔してぶっ壊しに来るの誰だと思う?



「え、ちょっ、今日は無理、帰って」



玄関先からのチャイムだっから油断してた
先輩かと思ったら全然違った、大智だったから追い払おうとしたけどスルリと交わされ、もう腕の中……



ねぇ、散々言ったよね?
アポなしで来るなって
彼氏居るからやめてって



抵抗する間もなく壁に追いやられキスを受けてる
どういう状況!?
しかもこれ……大智のクソ重たいキスじゃん
時々されちゃう
全然動けなくなるやつ
めちゃくちゃ……腰にくるやつ……っ



ダメ………やめて………離して………



首に手を掛けて、まるで絞められてるかのような圧迫感
口内イキって何が何だかわからなくなる
ビクン…ビクンって痙攣してやっと唇が離れた
涙目で息も乱れて、離れたいのに力入んなくて
ズルズル…としゃがみ込んでしまう



「あれ、立てなくなっちゃった?ハハ、良い顔…」


「何なの…?はぁ……っ」


「俺の事、放置し過ぎじゃない?会いたいから会いに来たんだけど?」


「んんっ……離して」


「何で?顔と言動、合ってないよ」


「違う……っ」


「違わない」



あぁ、どうしよう……全部持ってかれちゃう
押さえつけられて身動き出来ないもん
何でこのタイミング……
先輩と会う約束はしていないけど、
またいつ、この前みたいにカマをかけてくるかわかんないから……





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