テキストサイズ

微熱に疼く慕情

第7章 【錯綜していく哀情】






でもわかってる
どうでも良くなった相手にならもう少し違ったアピールしていくけど、先輩はそうじゃない
ましてや、同じ職場、部署は違えど嫌な終わり方はしたくない
欲深くなっていく人間の真理にも、寄り添いが必要だ



「帰るね」と背中を向けた先輩の服を抓んで引き止めちゃうんだよ
矛盾してて良いの、感情なんて矛盾だらけなんだから
どうせコレを期待してたんだろうし
明日まで私の事ばっか考えて、会社で会った時の私がどんな反応を取るのかハラハラさせてみる手もあったけどね
あれこれやり取りしているうちに少しばかり冷静にもなれたので……



振り向いてくれたらチュッて私からキスするよ



「仲直りしたから……まぁ、いいか」と内鍵を閉めちゃうの
ドア側に立って、まだ涙ぐんだまま、上目遣いして
「彼氏だから…本当は帰っちゃダメなんだよ?」って……



あぁ、また煽ってスイッチ入れちゃった……
丸く収まれば何だって良いよね
がっつり襲われてあげるから変な勘ぐりしないでね
私の愛が足りなかったか……反省しなきゃ



「んんっ……あっ……シャワー……」


「無理っ、今すぐ抱きたい」



そうなっちゃうよねぇ、私が悪い……
結局、お泊まりしちゃうし、シャワー浴びずにセックスしちゃうし、喧嘩らしい喧嘩も出来なかったね
んふふ、それくらい溺れてくれてる方が良いよ
だって選べないもん
そんな選択させないでよ
お願いだから、責めたりしないで
愛してるって言って……



私が居なくなれば生きていけないって言うのなら
その手で壊さないでいてね















ストーリーメニュー

TOPTOPへ