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いつか、絶望の底から救い出して…

第10章 佐久良舞希①



「仕方ないね。じゃあもう少しだけだよ」

「「やったー!!」」


園田さんの言葉に、俺たちは抱き合って喜んだ。
もう少しだけ遊べる。
そのことが嬉しかった。


「あ、そうだ。遅くなるから舞希君と、悠喜君の家に連絡入れなきゃ」


園田さんがケータイを取り出す。
ピンクのかわいいケータイだ。
旅行で買ったのだろうパンダのぬいぐるみストラップが付いている。


「あ、もしもし、悠喜君のお母さんですか?あ、すみません、帰るの少し遅くなります」


園田さんはしばらく話すと、ケータイを切った。


「悠喜君、なんとかお母さんから許可取れたよ!」

「やった〜!」


園田さんの言葉に、悠喜がピョンピョンと飛び跳ねる。
俺はニッコリと微笑んだ。


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