
いつか、絶望の底から救い出して…
第10章 佐久良舞希①
その後、俺は遊園地を楽しんだ。
いろんな乗り物に乗った。
ジェットコースターに、コーヒーカップ、急流滑りに、サイクルモノレール。
どれもこれも楽しかった。
時間はあっという間に過ぎてゆく。
空はすっかり暗くなっていた。
時刻は夜の七時──
「そろそろ帰ろうか、舞希くん。悠喜くん」
園田さんが俺たちに声をかける。
正直、まだ帰りたくなかった。
もっと遊びたかった。
「えーまだ遊びたい〜」
悠喜が園田さんの腕を引っ張りながら駄々をこねる。
「え……でも、悠喜くん……帰らないと……」
「えーやだ〜!もう少しいたい!」
「悠喜くん……」
園田さんは困ったように眉をハの字にした。
