
マッチ売りの少女と死神さん
第2章 12月31日…死神さんに穢されました
少女は目をぱちぱち瞬かせて彼を見上げた。
「ま、正確に言うと君の魂をね」
「ーリー…さ……」
「神は神でも僕は死神だから」
そう言った時に、訳もなくホーリーの胸がチクリと痛んだ。
「……!」
それでも、信じらない、とでも言いたげにサラの顔がみるみる青ざめていくのを見ると、彼はようやく落ち着いた気がした。
手の力を緩めてにやりと笑う。
「そ、そんな…」
(泣き叫ぶこの子を組み敷いて、犯す妄想をしたことは、数え切れないほどあるけど……実際にこういう反応をされると、たまらないなあ)
青年は舌なめずりをしたいような気分になった。
(もっと怖がらせてやりたいなあ……)
少女の引きつった表情に、ホーリーは心身ともに、湧き上がるような高揚感に包まれた。
「や、やめて……」
震える声で懇願されるとますます興奮した。
(いいねえ、その声……ぞくぞくするよお)
「どうしたの? 怖いのお?」
サラは何度もうなずいた。
「大丈夫だよお、痛くないからね」
「ほ、ほんとうですか……?」
「うんうん、ホントだよお」
ホーリーは上擦った声で言い、サラの足の間に体を入れる。
青年と密着した少女は全身を固くした。
「あ、あの、何でもしますから、どうか許してください」
「ええー? だめだよお、許すなんて」
「えっ」
「これはサラちゃんへの罰なんだからさあ……懺悔したら許してもらえると思った?」
「……っ」
泣きそうになっている少女の顔を見、馬鹿にしたように笑ったあとで、頭を下げたホーリーはサラに唇を重ねた。
