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【参加型小説】尾仁牙島

第8章 尾仁牙島伝説

「では皆さん。食べながらワシの話を聞い……」

「待って、村長さん」


 鬼藤が尾仁牙島伝説の話をしようとすると、レシピェールがそれを塞いだ。


「村長さん、その話はご飯を食べてからにしてくれるかしら?」

「……」
 

 少し驚く村長にレシピェールはニッコリ笑う。


「アタシたち、みんなと楽しくお食事したいの。話を聞きながらだと、せっかくの料理の味もわからなくなっちゃうじゃない? それに村長さんの話もしっかり聞けないし。だからお話はまたあとでお願いできるかしら?」


 誰もが言い出せなかったことを、レシピェールがはっきりと言い放った。あくまでもやんわりと、鬼藤が気を悪くしないように。


「そうね、食事はゆっくりと楽しみたいわ」


 めきゆもレシピェールに同意する。


「あ、あたしも、そう思う!」


 慌てて千代も同意すると、鬼藤は「それもそうですな」とあっさり受け入れた。



 

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