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【参加型小説】尾仁牙島

第8章 尾仁牙島伝説

「さて酔いも回ってきたし、そろそろ尾仁牙島伝説について語りましょうかのぅ」


 鬼藤がそう言うと、騒いでいた島民たちは一斉に立ち上がり、ゾロゾロと食堂から出て行った。


「あ、あのぉ〜。もうけっこう時間経ってるし、その話はまた今度でもいいですよぉ?」


 千代は食堂に残ったシェリー、めきゆ、ユウ、隼斗、月の姿を確認した。レシピェールはまだキッチンで料理を作っており、勇治と柚里は武藤の部屋で看病、小夏はどこに行ってしまったのかその場に居なかった。


「ふぉっ、ふぉっ。そんな遠慮せんでも大丈夫じゃよ。まだまだ夜は長いからのぉ、もう少し年寄りの話に付きあってくだされ」

「……」


 千代は心の中で中指を立てた。
 せっかくのジビエ料理を島民たちに食い散らかされて、腹が立って仕方なかった。


(尾仁牙島伝説なんて、どうでもいいし!)


 それよりも恋活メンバーでゆっくり話がしたい。レシピェールの作ったジビエ料理をゆっくりと味わいながら、レシピェールのことをもっと知りたいのに……。




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