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【参加型小説】尾仁牙島

第8章 尾仁牙島伝説

 月の話を聞いて、めきゆと隼斗とユウはお互いの顔を見合わせた。


「まさか陽菜ちゃんは、誰かに連れ去られたというの?」

「わかりません……。でも尾仁牙島に向かう前、陽菜はこう言っていました。『もし私と連絡取れなくなったら、絶対一人では探しに来ないで』って」

「なるほど、だから恋活ツアーに参加したんですね」


 ユウの言葉に、月は頷いた。


「本当は今回の依頼には、二人で行く予定でした。ですが私が急な熱を出してしまって……先に陽菜だけ行くことになったんです」


 そこまで言うと、月はキョロキョロと周りを気にし始めた。周りにいる島民たちは相変わらずどんちゃん騒ぎをしている。


「……正直、一人で行かせたことを後悔しています。なぜなら尾仁牙島は……元は罪人の島だから」

「え?」


 その時、部屋中にパンパン!と手を叩く音が響いた。ハッ――と月たちは音の鳴る方へ振り返ると、村長の鬼藤がこっちを向いて立っているのが見えた。







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