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【参加型小説】尾仁牙島

第8章 尾仁牙島伝説

「……実はわらし(私)には……双子の姉がいるんです……」


 月(るな)は目を潤ませながら、ゆっくりと話し始めた。


「月ちゃん、双子なのね!」

「双子のお姉さん!? じゃあ、月ちゃんと同じ顔がもう一人いるってことですか?」


 隼斗は頭の中で月が二人並ぶ姿を思い浮かべた。


「姉の名前は、陽菜(ひな)といいます……。陽菜はある依頼で、一週間前にこの島を訪れました」

「じゃあ、役場に行ったのは陽菜さんに会うために?」


 隼斗の質問に月はコクリと頷いた。


「依頼者は役場の方なんです。でも、陽菜とは会ってないって言っていて……」

「え?」

「陽菜はまだ尾仁牙島に来てないって言うんです。何かの間違いじゃないかって、何度も問い合わせしました。でも「誰も見てない」の一点張りで……」

「途中で何かあったってこと? 陽菜ちゃんとは直接連絡取れないのかしら?」

「携帯電話は持ってますが、ずっと繋がらないんです……。でも一週間前、確かに陽菜から『尾仁牙島行きの船に乗った』とメールが来ました。だから尾仁牙島には辿り着いてるはずなんです!」



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