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【参加型小説】尾仁牙島

第8章 尾仁牙島伝説

「はいはい、とりあえずはここ座って。水飲んで落ち着いてくださいね」


 ユウが月をめきゆから剥がして、席に座らせる。そして冷たい水を月に渡した。


「……ありがとございましゅ……」


 チビチビと水を飲む月の姿を見て、めきゆはクスッと笑う。


「大丈夫よ、月ちゃん。私はそんなに簡単に捕まったりしないわ。私は昔からすごく運がいいの。それは月ちゃんにわかるかしら?」

「……うん、わかる」

「そう。それなら、何があったのか少しだけでいいから話してくれる?」

「……う〜ん……」


 めきゆはずっと他人と距離を取っていた月がこんなに酔うなんて、きっと飲まずにはいられない出来事があったに違いないと思った。


 それに自分のところに来てくれたということは、少しでも心を許している証拠。きっとこれは月からの無意識なSОSなのだと思った。



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