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【参加型小説】尾仁牙島

第8章 尾仁牙島伝説

 そう会話していると、前から年老いた男3人が歩いてきた。そのうち一人は村長の鬼藤だ。


「これはこれは皆さんお揃いで。若い娘たちが集まると賑やかしいですなぁ」

「村長さん、先程はありがとうございました!」


 柚里は村長に深々と頭を下げた。
 武藤から「怪我をして動けない」と連絡がきたあと、柚里は小夏と山を降りて村長に助けを求めた。村長と島民からの手助けがなければ、武藤は無事に山から降りられなかった。


「武藤さんの具合はどうかね?」

「傷が浅かったので、大事には至りませんでした。今はぐっすりと眠っています」

「それは良かった。それにしても、なぜあんなところに一人でいたのかのぅ」

「……」


 柚里はチラッとシェリーを見た。
 シェリーからはまだ詳しく話を聞いていない。それに武藤から連絡が来たとき、「鬼に襲われた」と聞いたが、柚里はそれを村長に伝えなかった。



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