
ジェンダー・ギャップ革命
第6章 異性愛者差別
「人間の本能について、考えたことはある?私達には欲望が潜在していて、快楽には抗えない。心身ともに隔たりの薄い同性は、異性といるより心地好い。加虐や被虐を伴う行為は、脳が痺れたみたいになる。ただ、人間、本当に望んでいるものには目を背けたがるの。誰が決めたかも分からない、誰もが本心では煩わしいと感じているような枠に、わざわざ囚われようとする。人前ではしたない話はいけない、貞節は守らなければいけない、異性と愛し合わなければいけない、セックスは愛を確認するための手段でなくてはいけない……それって反自然的じゃないかしら。本能を否定した行動なんて、人間を作った神様に逆らう行為よ。何か意図して、神様が人間にそうした本能を備わらせていたとしたら?私は気取った人間を見ると寒気がするし、まして貴女のような女は哀れになる。二十年以上もセックスしないで、男に夢を見ていたなんて、貴女にも平等に幸せを望む権利を与えられた神様が気の毒になるわ」
この場にいた一同が、ため息を漏らした。今の英真の講義をメモするための筆記用具を所持していなかったことを惜しがる女や、スマートフォンのカメラを回すから復唱してくれとせがんできた女もいた。
もっとも今、英真が優先すべきは輪姦だ。
さっき先頭を切りたがった女に続いて、英真は源口に何かしらの想像力を働かせた女達全員に、彼女の世話をするよう命じた。その間、しづやとキスの続きを楽しむことにした。
