クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜
第12章 薔薇の谷 編
イバンは目の前の子供をジロジロと眺める
見た目はいたって普通の子供に見える
すこしナマイキな口のきき方などこにでもいるような子供だ
「お前がクローンだって?
それに姉妹が眠っていると言ったな
そいつらがカプセルで眠っているのか?」
ラーズが慌ててローズの小さな躰を引っ込めさせる
「そうだ、この子そっくりな子どもたちが眠ったままでカプセルがロックされちまってんだ、
アンタなら解除てきるんじゃないか、と思ってわざわざ〈薔薇の谷〉に戻ってきたんだ!」
「ふむ……、俺がお前がぐらいのときからサイド3の兵器工場で働いていた
そのうちよく分からん研究施設の機械の製作を手伝っていた、脳波操作やら無線操作やら未来の機械を作らされてる気分だったよ……
そのうちのひとつがコールドスリープやら医療カプセルやらに関わるようになったよ
確かにそこの後ろのチビみたいな連中が被験者になってたな
そこらあたりからだんだん俺のやってる仕事にイヤ気を差してきたんだ
上のヤツラが何を求めてるのかは俺たち技術者にはわからねぇ、どうせ戦争の道具だろう
実験で眠らされてるガキどもも何のために何処から来たのかわからねぇ
俺はナチスにでも入っちまったのか、とも思えたよ?そうだ、あれは間違いなく人体実験だったのさ
カプセルのロック解除だって?
それは何処にある?
コロニーか?
月か?」
「いや実はもう此処に持って来てるんだ
湖に浮かべてある
アンタに診て欲しくてな!」
「……ガブリエラと同じような顔をして無理難題を押し付けやがって!
この村に持ち込んだだと?
俺に見せる気まんまんじゃねーか!」
意気込むイバンにラーズの後ろに追いやられていたローズがぴょこんと頭を出してきた
「わたしのお父さまはクローンの姉妹たちを保護しているの、世界中に兵器として作り出された姉妹たちを解放しようとしてるの
あのままじゃあの子たちはまた戦争に利用されてしまうわ」
イバンは子供のセリフが気に入らなかった
「お前みたいなクソガキが戦争を語るんじゃねぇよ、庭で遊んどけってんだ!
で、何処だって? 湖だと?」
こうしてイバンは彼らに協力することになるのだった……
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